外国映画 字幕版?吹替版?
メリットとデメリット

CINEMA-2

外国映画を観るときに、
あなたは、字幕版を選びますか?
それとも、吹替版を選びますか?

結論は「字幕版」をおすすめします。
私個人は、これまで2,000本以上の外国映画を必ず字幕版で観ています。
もちろん、かつて吹替版を試してみて選んだ結論です。

日本の映画館では、都市部はどちらの選択肢もある傾向ですが、
地方に行くと、吹替版のある作品は吹替版の方が優先され、
字幕版の上映がない場面に出くわします。
動画配信サービスでも、吹替版がある作品の場合、
吹替版の方が優先されてリストに挙がってきたりします。

吹替版の方が、一般的により好まれているのでしょうか?
最近は、そういうわけでもないようで、作品本来の雰囲気の伝わる
「字幕版」が好まれているという統計があるようです。

この件でのテーマは、「音」です。
「音」を重視するかしないかです。
言語の違いを埋める手段として、文字または声のいずれで補助するかによって
どういう問題があるのでしょう?

では改めて、字幕版か?吹替版か?
そのメリットとデメリット、
私の考えを挙げてみたいと思います。

字幕版

メリット

 俳優本人の声が聴ける

外国の俳優は、個性が立っている人が多く、それぞれの俳優の声や話し方に特徴があります。
それが俳優の魅力であり、また、繊細な間を持った名演技や名場面は、
オリジナルの音声でなければその真価を体験できません。
人物になりきった俳優の息遣いは、たとえ言葉がわからなくても
心にしっかり伝わる力を持っています。
俳優の演技は作品の印象を決める大きな要素です。

2 雰囲気が伝わる

言語を含めて、実際の音と映像が合わさって、その文化の雰囲気、そこにある空気感が伝わります。

デメリット

1 情報量が少ない

字幕には文字数の制限があり、実際に話している内容をすべて字幕にすることはできません。
情報が少なくなる分、細部まで理解することは難しくなります。

2 文字を読む手間がある

字幕を読むことに慣れていないと、文字を読むのと映像を見ることの両方をこなす
忙しなさがあります。慣れれば自然に鑑賞できますが、手間であることは変わりません。

3 字幕が映像の邪魔になる

字幕が画面のある程度の部分を隠すので、映像を隅々までしっかり楽しむことができません。
特に日本語の場合、画数の多い漢字が入るために、英語などに比べて文字のサイズが大きく、
字幕の画面に占める割合が大きくなります。
また、字幕の白色が光って、暗めの映像の場面での雰囲気に影響することがあります。

4 時間のテンポを刻んでしまう

字幕は、一定のテンポで切り替わるので、本来の映像で流れている途切れない時間の流れを、
時計の秒針のようにカチカチと刻んでしまいます。
ランダムに自由に流れる時間が生み出す雰囲気を壊していると言えます。

吹替版

メリット

1 情報量が多い

人が話す速さでの情報を入れられるので、字幕に比べて情報量は多くなります。

2 映像全体を見られる

字幕で映像が隠れないので、本来の映像全体を見られます。

デメリット

1 俳優本来の演技を見られない

俳優の演技はその人本人の声の強弱や間、その息遣いがとても大切です。
心に迫る名演技は、本人の声でなければ、真に体験することはできません。

2 本来の雰囲気が伝わらない

言語も含めて、本来そこにある音と映像が合わさってこそ、その場の雰囲気、空気感が伝わります。
音が変わると雰囲気は違ってきます。

3 配役のミスマッチ

配役や声優の喋り方によっては、元の俳優の演技の印象を大きく曲げてしまう可能性があります。
大袈裟に言えば、作品自体の印象が曲がってしまうことにつながります。

まとめ

以上が、それぞれの主なメリット、デメリットだと考えています。
「字幕版」のデメリットが意外と多くあるようにも見えますが、
それでも、本当の音で本当の雰囲気を感じてほしい、
私は「字幕版」をおすすめします。

また「字幕版」では、元の言語を理解している度合いによっては、
字幕を大まかな理解の助けとして読みつつ、実際の音声から多くの言葉を拾って、
より理解を深めることができる可能性もあります。

字幕版は雰囲気重視(本当の音)
吹替版は情報重視(話の内容)

かな、かなり大雑把にはそう考えます。

「音」を重視するかしないかは、実は「音」だけの問題ではなく、
「映像と音」が合わさってできる作品そのものを“芸術作品”と考えるか、
それとも、ストーリーを理解できればよい“情報”と考えるかの違いです。
字幕版で観るか、吹替版で観るかは、鑑賞目的が根本から違うとさえ言えるかもしれません。
「吹替版の声優の声が好きで、それを聴きたいんだ」という方は、
今回は議題の外に存在していると考えて、それはそれで尊重したいと思います。

でもね、実はもっとおすすめの鑑賞方法は別にあります。
それは「字幕なし」での鑑賞です。
詳しくは次回の記事で述べようと思います。

次回の記事→

タイトルとURLをコピーしました